【Lにしている・サークルカット用】 ※短い上に、ネオロマフェスタ9のネタバレを含んでます。つか元ネタそこなんで、意味わからないかも。 月森は青ざめていた。そしてとっさに身を守るようにしていた両腕が前にならえのポーズをしていて、先ほどまでのことが現実だと知る。 ――俺は………理事長を池に突き落としてしまった……。 些細な、いや、月森にとっては些細でない云い争いで、どうしてこんなになったのかよく思い出せない、と冷静になった時点で月森は池のそばに近付いて、「理事長」と叫ぶように呼んだ。 シャラ〜ン。 鈴のような音が池から鳴ったのはその時だ。ハッとした月森が池を見ていると、水色を基調にしたあきらかに人間でないものが水の中から現われて、月森を見た。 「そなたが今、落としたのは、金の理事? 銀の理事? 普通の理事?」 「そんな馬鹿な…………!」 言葉にも納得いかないが、その人物が云うように、池に浮かんで金色に輝く吉羅、銀色に輝く吉羅、そしてずぶ濡れになっている吉羅がいた。金色は陽気そうで、銀色は内気そう、おそらくずぶ濡れ理事は、普通の理事だろう。 選ぶまでもないのだが、月森は悩んでしまった。 ――金が銀を選べば、今さっき俺が理事長に云い寄られていた事実は闇に埋もれるだろう………! そうして月森が口を開いた時、意識が急になにかに持ち上げられるようになって、その景色はかき消えた。 目を開けると、そこは見慣れた室内で、月森はそっと安堵の息を漏らしたのだった。 end 1009頃? むちゃくちゃ度満載。ずいぶん楽しんで書きました。イベントの吉羅の印象が強くて、カット小話を書く時に思い浮かんだネタ。このカットを書くために参加したような気がしないでもない。嘘です。参加させてもらって、とても光栄でした。 |